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あとがき

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    2020年4月2日にうぶ声をあげた

    「トンガリ王国プー王子スパイスを探す旅」が

    終わりました


    丸3年です

    仙人Hにイラストを描いてもらいながらボチボチ…ボチボチ…と

    続けてきました


    物語を書いた経験もなく

    おおまかのストーリー設定もなく

    もちろん綿密な伏線もなく

    携帯の画面を開いた瞬間から

    思いつくままに書いてきた物語


    可愛いトンガリプーのイラストから

    切手を作ったり、カレンダーに出演させてもらったり、缶バッジを作ったり…

    さんざん楽しい思いをさせてもらいました


    福井弁のコックや

    妖精やカレー色の鳥


    心配になるとみるみる青くなる

    タクシー運転手のおじさんや

    サバ子、豆蔵、チョックラ・イッテクルゾウ


    開発担当カレーとどらやきに取り組む福井のおばちゃん


    友達のパンダヒマオ…


    みんなどうしているかしら…?




    みんなみんな…


    お元気でねー!!



    物語に参加して下さった

    MKさん、つむぎさん

    可愛いイラストをたくさん描いてくれた仙人Hさん


    ツッコミたくなりながらも

    読んでくださったみなさまへ…




    ありがとうございました



    トンガリプーとまた会う日まで




                    



    トンガリ王国プー王子スパイスを探す旅 第二章 10

    0





      あたりの雪が

      すべて溶けてなくなってみると

      そこは桜さく春でした


      ピンク色の風がフワリと吹いて

      桜もちみたいな香りで

      プー王子を優しく包みます


      もう長いこと忘れていました


      ホウッとあたたかくて

      ぜんぶがだいじょうぶで

      からだがふわふわと軽い


      そんな気持ち


      見上げると

      優しい顔をした象が

      微笑んでいました


      プー王子さま

       お母様にお会いになられたようですね…

      もういいのですよ

      今日まで

      よく頑張ってこられましたね


      探しておられたスパイスは

      お母様がプー王子さまの胸の中に

      渡してくださったのですね


      その胸の中のあたたかいものが

      そうなのですよ

       

      そのあたたかいものを胸に

      さあ、トンガリ王国へお帰り下さい

      みんなプー王子を待っています




      それさえなくさなければ

      だいじょうぶ


      トンガリ王国へ帰ったら

      みんなにわけてあげるのですよ


      あなたは

      いつだってだいじょうぶ




             イラスト 仙人H




       トンガリ王国プー王子

            スパイスを探す旅   

                     完





      トンガリ王国プー王子スパイスを探す旅 第二章 9

      0






        雪の中でプー王子が目を覚まして

        ボンヤリと

        冷たい雪の中を歩き出しました


        慣れない雪の中を

        歩いて歩いて…

        どれくらい歩いたでしょうか?


        人影のようなものが見えてきました


                イラスト 仙人H


        あなたは…だれですか…?

        ボク…これからどうすれば…?


        プー王子が尋ねると


        どうともしなくていいのよ

        あなたが

        ただいてくれるだけでいいのよ


        赤マフラーの雪だるまは言います


        ここに?

        ボクとっても寒いんです

        どこか暖かいところはないですか?


        暖かいところはあるわ

        ここにね…


        と言ってジッとプー王子の目を

        見つめます


        さあ、この赤いマフラーをあげましょう


        マフラーを巻いてもらうと


        「私たちの可愛いプー坊や…。

         ごめんなさい…。何もしてあげられ

         なかった…。

         でも大好きよ。大好きよ。

         そう言いたかったの。

         ただそう言えば良かったのね…。」


        という声が聞こえました

        すると

        体がホカホカと暖かくなり


        なんと

        あたりの雪もだるまもみるみるうちに溶けていきました










        トンガリ王国プー王子スパイスを探す旅 第二章 8

        0





          プー王子は泣き続けました


          何日も何日も泣き続けました


          そしてしまいには

          眠ってしまったプー王子



          遠くから声がします


          プー王子が!

          プー王子が雪に埋まってしまう!

          どこにいるの?

          返事をして!


          プー王子ー

          プー王子ー


          自分を呼ぶ声がします


          誰?ボクはここにいるよ


          目を開けると真っ暗でした

          そして全身が凍えるように寒いのでした


          ここにいるよ…

          ボク、ここに…


          ここに!

          ここにいるわ!

          プーはここよ!


          と叫んで

          誰かが近づいているようです


          今にも遠のきそうな意識の中で

          ザックザックと雪を掻く音が

          聞こえてきました


          そして

          目をうっすらと開けると


          プー王子!


          目の前には

          お母さんがいたのでした


          お母さん!


          ウワーン、ワンワワン!

          ウワーン、ワンワワン!


          ボク…ボクは…

          ウワーン、ワンワワン!

          ウワーン、ワンワワン!


          2人は抱き合っていつまでも

          泣いていました


          プー王子…ごめんなさい…

          あなたをアンコラブ国にやったりして…ほんとうに…ほんとうにつらくて…

          あなたのことがずっと心配で…


          病気で動けなくなったお父さんが急に言ったの

          プーが雪に埋まってしまう!

          助けに行くと言ってきかないの

          それでお父さんの言うとおり

          ここへ来たのよ


          うん…

          うん…

          お母さん…


          ボク本当はずっとずっと

          さみしかったんだ

          ひとりぼっちはいやだったんだ

          本当はもっともっと抱っこしてもらいたかったんだ



          ウワーン、ウワーン

          ウワーン、ウワーン








          トンガリ王国プー王子スパイスを探す旅 第二章7

          0






                  イラスト 仙人H


            さあさあ、おはいんなさい

            クルクル巻毛の可愛らしいプードルさんと眠そうなパンダさん

            リスくんと青い鳥さんと私だけより

            たくさんで玉を入れる方が楽しいわ


            とキリンがうれしそうに

            言いました

            リスも青い鳥もうれしそうにいいました

            いっしょにやろう〜!


            パンダヒマオはいいました

            ぼくはここから

            みんなをおうえんするよ〜

            忙しいのは苦手だけど

            みんなが楽しそうなのは大歓迎さ〜




            プー王子が玉を走って持ってきて

            それをリスに渡す


            リスはその玉を青い鳥に渡す


            青い鳥は玉をキリンに渡す


            キリンが玉をネットにそっと入れる


            みんなそれぞれ自分の出来ることを

            一生懸命やります


            他にチームはないので

            誰かと競争してるわけじゃありません


            それでも

            ヒマオに応援されながら

            みんなで運んだ玉が網に入ると

            それはそれは

            楽しくてうれしくて

            大きな歓声をあげるのでした



            プー王子は

            みんなで何かして

            みんなで喜ぶのが

            楽しくてうれしくて仕方ありませんでした


            気がついてみれば

            わりと1人で頑張ってきた犬生です


            スパイス探しだって

            本当はさみしかったのです


            だからヒマオにところてんまであげて

            ついてきてもらったのです


            中年になって体力もなくなってきました


            カレーとどら焼きの仲間たちとも

            離れてきました


            あ〜、ボクはトンガリ王国の王子だけど1人でスパイスを探すなんて

            ほんとはしんどかったんだ…

            王子だってなんだって1人は

            つらかったんだ…


            プー王子は自分のこころを知ったとたん

            力が抜けて

            その場に座り込んでしまいました


            ウワーン、ワン、ワワン!

            ウワーン、ワン、ワワン!




            泣き続けるプー王子のかたわらで

            ヒマオはただ座っていました




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